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 おじさん、これなんて読むかわかる?中学生になったばかりの姪に紙片をつきつけられた。
 海という漢字が5つ並んでいる。
 法事の席でひととおり酒がまわってようやく場がくつろぎ、雑談にも興が乗ってきたところだった。
 親戚の間では私はもの知りで通っている。日頃くだらない知識を披瀝しては周りを煙にまいてきた。
 どうもそのあだうちを姪がやろうということらしい。
 それにしても突然のことだから面くらう。
 海が5つだからゴ・カ・イなんて、まあ小学校低学年レベルの解答では納得しないんだろうなと思いながらとりあえず口に出してみる。
 当然言下に否定された。
 私の困惑をまわりは皆んな愉しみ始めている。
 だが、うん、うんとうなってみせたのは単にうけを狙ったわけではない。
 こういう問題を考えるのは大好きだし、時間が許せば一晩だってつきあえる。
 私は相当に本当だったのだ。
 もっともこの雰囲気では、そう長い時間をとるわけにもいかないだろう。
 ごめんなさい、わかりません、教えて下さい。
 私はおどけながら頭を下げた。
 海、5つ、こえをあ・い・う・え・おと読むそうな。
 あは海女(あま)、いは海豚(いるか)、うは海胆(うに)、えは海老(えび)、おは海髪(おご)。
 ううんとうなった。なるほどなあ。
 おごとはなんだと小意地の悪い突込みはさすがに思いとどまった。
 あとで調べると海草のことらしい。
 姪のオリジナルとは思わないがこんな言葉遊びが中学生の間にはやっているのなら日本語の将来にそれ程不安はない、負け惜しみでなくそう思う。
 今度、会ったら姪に海を5つ書いて同じ質問をしてやろう。
 どうもその手でいくと、か・き・く・け・こともさ・し・す・せ・そとも呼べるようだ。
 ここら辺、おじさんはやっぱりすごいんだよ。

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