やきもの

三つくり

 一土、二窯、三作り、と言う。よい焼き物が出来る条件を並べたものだ。窯屋は一窯、二土、三作りと言ったりする。焼きものだろう、何てったって焼く窯だろうなどと力む。 作り手である私たちにはやっぱり作りが一番だと思うところがある。備前の土を使って...
エッセイ

泣く

 年のせいかめっきり涙もろくなった。もともとそういう傾向があったところにもってきてこの老化現象だから実にしばしば泣く。 新聞を読んでいて子供の事故死などという小さな記事に出会ったりするとぐっとくる。嘆き悲しむ親の姿が目に見えるような気がする...

「はるかな国の兄弟」あるいはリンドグレーン小考

 「長くつ下のピッピ」が娘はお気に入りでよく色違いのくつ下を左右にはいて得意になっていたものだ。娘と同じ本を読んで感想を話し合ったりしていた時期のことだからせかされるままとりあえず読むには読んだが私にはそのやかましさが鼻についてあまりよい印...
エッセイ

岡のけんちゃん 2

 犬がうまく納まったとわかるとけんちゃんは足繁く通って来るようになった。鎖で繋ぐような飼い方をしちゃだめだよ、これはいい犬なんだからさ。鎖でつなぐと首のまわりの毛がこすれて、みすぼらしくなる、骨格を狂わせる原因にもなる、そう言われれば言われ...
エッセイ

岡のけんちゃん 1

 岡のけんちゃんは犬猫屋だったがどう考えたってそれだけでは食べていけそうもないから他にもいろいろやっていたのだろう。だけど他のいろいろの事は知らない。犬を買いたいと思い知人たちのつてをたどっていたらやってきたのがけんちゃんだった。素人には見...
エッセイ

やっぱり犬が好き!?

 犬派か猫派かということであれば断然犬派だ。もっともどんな犬でもよいわけではなく、グレートデンやドーベルマンなど何か日本語で命令しても無視されそうで一歩引く。かわいい娘さんがおでこにリボンなんかつけたチワワを抱いているのを見るのは微笑ましい...
やきもの

コテ

旅行

増毛へ 3

 国稀酒造は明治15年(1882年)創業だからかれこれ130年になろうかという道内屈指の伝統ある造り酒屋だ。創業者、本間泰蔵は新潟県佐渡の人、裕福な仕立屋の三男として育ったが24歳の時に来道、小樽をふり出しにほぼ10年、33歳にしてすでに自...
未分類

増毛へ 2

 増毛は終着駅だ。ホームの先で線路は途切れ、いかにも車止然とした車止がここで写真をお撮り下さいと言った感じで設置されている。一瞥してやり過ごそうとしたが声がかかり写真。とりあえずスポンサー付きの身だ。 十数人程の降客があったはずだが、そんな...
旅行

増毛へ(1)

 JR北海道に“ライズ”という広報誌がある。そこから突然、“ぶらり一日旅”に出演してもらえないかと電話がきた。 JR北海道には土・日・祝日限定の“一日散歩きっぷ”というのがあって決められた範囲内であれば普通・快速列車の自由席が一日、乗り放題...
やきもの

職人

 私は20代も半ばを過ぎてから内弟子に入ったのでそこは自分よりも年若な“職人さん”ばかりだった。 職人さんとは内弟子を卒業して、一通り焼物の仕事をこなせるようになった人のことを言う。工場に来て親方からロクロ挽きなど賃仕事をもらう、言われた仕...
趣味のことなど

読書依存症

 読書家という職業がないので仕方なく陶芸家をしているが、本を読んで暮らしがたつならどんなに幸せだろう。 子供の頃から本ばかり読んできた。本を読んでいると楽しかったし幸せだった。私はいじめられっ子で毎日のように泣かされていたから現実からの逃避...
やきもの

縁起(げん)をかつげば

 いまだ人知が及ばぬところがあるせいかもしれない。焼きものの世界では験かつぎ、忌ぎらい、迷信の類がずいぶん多いような気がする。 その一つ一つに気を配っていたら身動きが出来なくなりそうなので、大抵は知らぬふりで済ます。 それでも窯の奥には神棚...
やきもの

ロクロ

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