やきもの

やきもの

電気炉

最近の電気炉にはあたりまえに自動焼成装置が組み込まれていて、スイッチを入れさえすればそれですむ。誰れでもそこそこに焚き上げることが可能なように出来ている。 あの問題はどうするの、この件についてはどうなるのと玄人としてはつっこみの一つも入れた...
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轆轤

どうしてロクロというのだろう。 ロクロを引きながら、時々そんなことを考える。 ものの名前にはそれぞれに意味がある。ただ長い年月の間にそれが忘れられてしまうのだ。 滑車などをそう呼んだり、六路と当てて、四方八方の意味で使ったりする例もあるから...
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釉薬(くすり)掛けなど

釉薬掛けは裏場仕事などと呼ばれる地味なものだが製品の出来を左右する重要な仕事だ。 雑器を焼いて暮らしを立てる小規模な工場では通常、裏手に陣取ったおかみさんや近所のおばちゃん達が日がな一日釉がめをかきまわしながら素焼をくぐらせては高台を拭くと...
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柿右衛門

十四代柿右衛門の講演を聞く機会があって息子と出掛けた。 開演十五分前に会場に入ったが、すでに満員、どうせ同業者か学生ばかりだとの思惑は外れて着飾った中年過ぎの女性がやたらに目につく。 すごいな、これみんなファンかと息子にささやくと柿右衛門を...
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三つくり

一土、二窯、三作り、と言う。よい焼き物が出来る条件を並べたものだ。窯屋は一窯、二土、三作りと言ったりする。焼きものだろう、何てったって焼く窯だろうなどと力む。 作り手である私たちにはやっぱり作りが一番だと思うところがある。備前の土を使って、...
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コテ

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職人

私は20代も半ばを過ぎてから内弟子に入ったのでそこは自分よりも年若な“職人さん”ばかりだった。 職人さんとは内弟子を卒業して、一通り焼物の仕事をこなせるようになった人のことを言う。工場に来て親方からロクロ挽きなど賃仕事をもらう、言われた仕事...
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縁起(げん)をかつげば

いまだ人知が及ばぬところがあるせいかもしれない。焼きものの世界では験かつぎ、忌ぎらい、迷信の類がずいぶん多いような気がする。 その一つ一つに気を配っていたら身動きが出来なくなりそうなので、大抵は知らぬふりで済ます。 それでも窯の奥には神棚が...
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ロクロ