古本万才

 本のリサイクルが一般化したおかげで、以前ならけして手にしないような本にも関心が及ぶようになった。 なにか新しい遊び場を発見した子供のように暇をみてはいそいそと古本屋に出掛けている。 行けば手ぶらで戻ることはまずないが、なに、今どき、これ程...

読む

 年度ごとのベスト・エッセイ集が文芸春秋社から発売されている。 80年台の初めから始まって、かれこれ30年、30冊あまりの本が出ていることになるのだろうか。 一般公募もしているらしいが、ともかく審査委員が選定した五・六十篇のエッセイが一年分...

高橋和巳

 古本屋で書棚を漁っていたら、ふいに高橋和巳という文字が目に飛び込んできて、思わず本を手に取った。 なつかしい。 名前を聞かなくなって久しいが、私たち団塊の世代の若い頃には教祖のような存在だった。 あの理屈っぽい難解な文章を皆が競うようにし...

「はるかな国の兄弟」あるいはリンドグレーン小考

 「長くつ下のピッピ」が娘はお気に入りでよく色違いのくつ下を左右にはいて得意になっていたものだ。娘と同じ本を読んで感想を話し合ったりしていた時期のことだからせかされるままとりあえず読むには読んだが私にはそのやかましさが鼻についてあまりよい印...
タイトルとURLをコピーしました