読書依存症

 読書家という職業がないので仕方なく陶芸家をしているが、本を読んで暮らしがたつならどんなに幸せだろう。
 子供の頃から本ばかり読んできた。本を読んでいると楽しかったし幸せだった。私はいじめられっ子で毎日のように泣かされていたから現実からの逃避だと言われれば反論できない。だけどやっぱり私は本が好きなのだ。

 年百冊、三万ページ、そういうノルマを自分に課して、もう十年は過ぎただろうか。とりあえず月十冊が目標だから、月末はいつも借金取りに追われる様な心境だ。飲み会の誘いにはそれこそハムレットのごとく悩む。
 飲むべきか飲まざるべきか、いや、読むべきか読まざるべきか。
 そして二兎を追って目から血を流したりする。

 本を読んでも利巧になるわけではないと誰かが言っていた。別に利巧になろうと思って本を読んでいるわけではないが、余計な知識が蓄積する。それを時々ひけらかしては総スカンをくう。嫌な性格だ。ちょっと欲求不満気味なのだろうか。
 朝の九時から夜の七時まで仕事はけっこう真面目にするが、家に帰ったらそれこそ縦のものを横にもしない。本をかかえて寝転ぶばかりだ。古今東西、人文、理工、ほとんど何でもこなすけどホラーとオカルト、SFは駄目、下ねたもハウツウものもあえて手にすることはない。児童書とファンタジーは大好きだけど絵本は魂胆が見え透いているような気がして拒否。 
 
 飲む、食う、読む。そして深夜におよんで、いいかげんにせよと家人に怒鳴られて寝る。
 若い頃には文学青年の私をどれ程、憧れの目で見上げたものだろう。それが今ではまるで禁治産者の扱いだ。
 歳月は人を変える。体型のことまであげつらうつもりはないが、女房の奴め。

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